先日リリースしたPRAY FOR AMAZONキャンペーンでピックアップした絶滅危惧種のタテガミオオカミ。
名前に「オオカミ」がついているもののあまりオオカミっぽい見た目でもなく、スレンダーでとてもアイコニックな動物です!

アイコニックな見た目

Photo by Zdeněk Macháček on Unsplash

タテガミオオカミは 平均体高90cm・体重23kg のスレンダーな体型をしています。現生種のイヌ科では最も体高が高い種類ですが、最も重いイヌ科はハイイロオオカミです。彼らは体重がタテガミオオカミのおよそ3倍もあります!

鮮やかな赤茶色の毛が身体のほとんどを覆い、タテガミと脚先は黒く、尻尾の先とあご周りは白くなっています。

狩りに適した大きな耳

タテガミオオカミはキツネのような大きな耳を持っています。

彼らは主にブラジルの草原地帯(その他ボリビア、パラグアイ、ペルー)に棲息しています。背の高い草や藪が覆い環境なため、小動物の動きを聞き取るために大きな耳が活躍します!

環境に適した長い脚

細長い美脚が特徴のタテガミオオカミ。

この長い脚のおかげで成獣は体高90cmほどにまで成長します。草原を見渡して獲物や敵を見つけるのにとても重要です!

威嚇に便利なタテガミ

名前にもついているほどアイコニックな特徴が彼らの黒いタテガミです。

危険を察知したり苛立っている時に、タテガミを膨らませて威嚇します。
さらに、頭を下げて背中を丸めることで身体を大きく見せてよりタテガミを強調させます。こうして敵から身を守ります!

学名:Chrysocyon brachyurus

タテガミオオカミは実は本種のみで「イヌ科タテガミオオカミ属」を構成しており、本当は「オオカミ(イヌ科イヌ属)」ではないんです!

見た目が似ている動物だと他にはキツネ、コヨーテ、ジャッカルなどがいますが彼らとも遺伝的な繋がりは遠く、同じ属性の近縁種は存在しません。
近年で一番近かった種は1876年に絶滅したフォークランドオオカミですが、彼らも名前とは裏腹にイヌ科イヌ属ではありませんでした。

現生種で一番遺伝的な繋がりが強いのは、なんとヤブイヌ(イヌ科ヤブイヌ属)なんです!

見ての通り全く似ても似つかない見た目ですが、遺伝子レベルではタテガミオオカミとヤブイヌは親戚同士ということになっています。
信じられませんね…(笑)

特徴的な性質

タテガミオオカミは近縁種が存在しない個性的な動物です。見た目以外にも様々な興味深い性質を持っているんです。

ユニークな食生活

タテガミオオカミは雑食動物です。主食の50%がフルーツや植物の根など、50%が小動物(アルマジロ、げっ歯類)や爬虫類、昆虫、卵などです。

ブラジルのサバンナには Wolf Apple / ロベイラ (Lobeira) という固有の果物がなる木があります。

・ナス科の植物(トマト、ナスなどと似た性質を持つ)
・鮮やかな紫色の花が咲く
・熟したもの:現地民もジャムにして食べる
・未熟なもの:タンニンが多すぎて食べられない

この果物はタテガミオオカミが最も好む植物で見た目がりんごに似ていることから Wolf Apple (オオカミのりんご) という別名がつけられています!

ロベイラの種はタテガミオオカミの消化器官を通り排出されます。この工程があるおかげで種の発芽率が高くなる、という研究結果がでています。ロベイラの木はタテガミオオカミにエネルギーを与え、タテガミオオカミはロベイラの木の増殖を手伝う、という需要と供給の合ったサイクルが出来上がっているんです!

夫婦で別居生活

タテガミオオカミはオオカミと違ってパック(複数頭で共に生活するグループ)を作りません。

生涯同じパートナーとテリトリーを共有して過ごしますが、共に過ごすのは繁殖シーズンのみ!それ以外の時期はそれぞれ孤立して狩りを行い、寝る場所食べる場所も別々なんです。
動物園で飼育されている個体は夫婦で子育てをする姿が目撃されていますが、野生の個体の子育てに関しては多くは知られていません。

3種類の声を使い分ける

彼らは3種類の声を相手や状況に応じて使い分けます。

1)吠えるような深く大きな声
基本的に独り行動を好む動物ですが、パートナー間での長距離コミュニケーション時にこういう声をお互いに向けて発します。

2)低い唸り声
警戒している時に発します。(他のイヌ科にもある共通点ですね!)

3)甲高い声
ニュートラルな状況でのコミュニケーションに使います。

レッドリスト:準絶滅危惧種

IUCNレッドリストでは Near Threatened / 準絶滅危惧種 に指定されています。

成獣の棲息数がおよそ17,000頭と言われており、そのほとんどがブラジルに棲息します。ブラジル以外の国では地域個体群によって、危険度が1ランク高い Endangered / 絶滅危惧種 に指定されている場合もあります。

ブラジルにおいては、過去15年で約20%も棲息数が減少しており、現在も減少傾向にあります。

タテガミオオカミを取り巻く問題

Photo by Jaime Spaniol on Unsplash

まだ危険度が低めの準絶滅危惧種ですが、彼らは様々な問題に脅かされています。

1)人間との衝突
ブラジルのサバンナには数多くの大型哺乳類が棲息し、肉食動物は家畜を襲う時もあります。タテガミオオカミも例外ではなく、鶏など小さめの家畜を狙うため、現地の牧場主との衝突が絶えません。家畜を襲われることでタテガミオオカミを嫌い、殺してしまうケースが増えています。

2)イエイヌとの衝突
人間が持ち込んだイエイヌが野犬化し、病気を移したり群れで襲ったりと、タテガミオオカミにとって実は厄介な存在です。
サバンナで唯一タテガミオオカミを襲う動物はピューマとイエイヌと言われています。

3)土地開発による環境破壊
先月からアマゾンの火災が大ニュースになっていますが、ブラジルのサバンナも同じく開発によって破壊されています。草原が農地や村づくりのために焼き払われ、どんどんタテガミオオカミにとって安全な土地が失われています。

タテガミオオカミを守る団体

タテガミオオカミや彼らが住む環境を守ってサポートしている団体をいくつか紹介します。ドネーション、教育プログラム、施設案内ツアーなど様々な方法で保護活動や認知拡大活動を行っています。ご興味ある方はぜひ下記にあるそれぞれのリンクからサイトをご覧ください!

World Land Trust
世界中のローカルパートナー団体と協力し、土地を買い取り保護地区にすることによって環境や絶滅危惧種を守る活動を行っています。彼らが所有する保護地区にはタテガミオオカミも生息しています!

Endangered Wolf Center
アメリカ・ミズーリ州に拠点を置く団体です。オオカミとその他イヌ科の絶滅危惧種の保護活動を行っています。タテガミオオカミ含め、SAMSARAのVTFコレクションでフィーチャーしたメキシコオオカミの再導入プロジェクトにも携わっています!

White Oak
アメリカ・フロリダ州に拠点を置く団体です。タテガミオオカミ含め、様々な種の保護活動を行っています。一般や動物専門職に向けた教育プログラムも数多く開催しています。

SAMSARA Maned Wolf Items

PRAY FOR AMAZON キャンペーンの商品のタテガミオオカミデザインは下記リンクからご覧になれます!

SAMSARA CAP (ブラック・ベージュ)
UPCYCLE KEYHOLDER (マルチカラー)